ロイエド未来パラレル。男→女への性転換表現があるので苦手な方はご注意ください。





俺とアルは、ちょっと前に元の体を取り戻した。アルはリゼンブールで暮らしてる。ウィンリィと付き合ってるらしい。兄としてはなんだか複雑な心境。
俺はというと、大佐にプロポーズまがいのことをされて、いや、そりゃ嬉しかったんだけど、まあ只今一緒に暮らしております。本読んで、家事やって、ロイの帰りを待ってキスしてそのままセックスしたりして、そんな普通な毎日。
それがずっと続くと、そう信じていた、んだけど。




アン エマージェンシー




「…な、な、な、なんだこれえええ!!」
朝起きて、ベッドの下に散らばった服をかき集めて、いざ着ようとした時に気がついた。何か、足りない。のに、何か余計なものがついてる感じ。出るとこが引っ込んで出てないとこが出っ張ったこの違和感に目を下に向けると、ああ、アーメン。神様、あなたはよっぽど俺のことが嫌いなんですね。
だって、こんな、あまりに非現実的な!
「………胸が……」
胸が、出て、アレが引っ込んだ。わかりやすく言うと、俺、女になっちゃいましたみたいな。
ぺたぺたと自分の体を触ってみる。鏡で確認してしまうのは恐ろしい、でも触らずにはいられない。
まず、胸。あんまりないのがちょっと悔しいけど、わしづかみにすると想像以上に柔らかくて思わず赤面してしまった。そんで、腰。なだらかなラインを描いている。ふとももで少し迷って、意を決して、……あそこ。金の茂みに覆われているはずの俺の息子は、跡形もなくどこかに消えてしまった、らしい。俺は呆然とした。
ええと、フーアムアイ?ホエアイズヒア?ホエアイズマイペニス?
頬が引き攣っている。昨日ロイが出した精液が腹で固まってカピカピ。
ロイはシャワーを浴びに行っているらしく、この部屋にいるのは俺一人だった。
「なんでだ…」
昨日ヤってた時はまだ男だったはずだ。だってロイがフェ…ごほん。とにかく、寝てる間に女になってしまったらしい。胸をもう一度触ってみる。やっぱり柔らかかった。
「…すっげえ柔らけえ」
とりあえず、ロイに話そう。


ロイに相談しようなんて思った俺が馬鹿でした。シャワーを浴びていたロイのところへ駆け込んで、驚いたロイにことのあらましを説明して、なんでか知らんがあれよあれよと流されて風呂場で一戦交えてきました。一戦というか、一発?
何だか昨日より感度が増しているらしい俺は、いつもと少し違うロイの愛撫に翻弄されてまんまといただかれてしまった。く、悔しい。
「…で?あんたは本当に何にも知らねえんだな?」
「ああ。…しかしすごいな。この胸、本物だぞ」
「ぎゃあ!も、揉むな!」
「ふむ」
「ふむじゃねえよ!あっ、こら、ちょっ…ぁ、ん!」
ぎゃあああまた流されるー!
「…小振りだな」
「うっせーよ!ちょ、いい加減手ぇ離せって」
ええーとブーイングするロイは無視して不埒な手を剥がす。
風呂の鏡で確認したんだが、やっぱり完全に女の体になってしまっていた。俺も男、女の人の体に興味が無かったと言えば嘘になるけれど、こんな形で見たかったわけでは決してない。だって自分の体を見つめるなんてそう気持ちのいいもんじゃない。
とにかく、原因究明、そして現状の打破だ。
「まずなんでこうなったのかだよなあ…」
「…うーん」
「…………ううーん…」
「……………………もうなんかこのままでも良くないか?もともと君がネコなんだし」
「阿呆か!てめえ朝起きたらいきなり×××無くなってた俺の身にもなってみやがれってんだ!」
あーあー自分の声が高くてむずむずする。
ロイはあくびまでしていて、ほんとに真剣に考えるつもりが無いらしい。悲しくなってくる。お前は、恋人がこんなに困ってるってのに、それすらどうでもいいんですか。男気ポイント大減点だ!
「体を元に戻した反動が今頃やってきたんじゃないか?まあ私としてはどんな君でも愛せる自信があるから、どちらでも良いよ」
不意に俺を後ろから抱きしめて、世間話でもしているかのごとき自然さでロイはそう言ってみせた。ちゅ、と耳元にキスされる。
あの、ごめんなさい。
俺的男気ポイント、やっぱりマックスです。不覚にもときめいてしまいました。
「出るとこ引っ込んでも別のところが出たならプラマイゼロだしな」
「………」
…やっぱり大減点。俺のときめきを返してくれ。
ええと、閑話休題。非常に不本意ながら風呂場でロイと一戦交えている時に気付いたことなんだけど、完全に、体の内部まで、俺は女になってしまったらしい。そうじゃなきゃあんなに濡……ご、ごほん。すみません。
あれ?てことは、あれじゃないか?俺が完全に女ってことは、もしかして、いや、もしかしなくても、とっても、まずい。
「…どうした?エドワード」
「………ロイ、さっき風呂場でヤった時さ」
「ん?」
「…思いっきり、中に出しただろ…!」
「…………あ。」
「あ、で済まされる問題じゃねえんだよ!どうすんだよ万が一…」
「その時は、」
ロイは、にっこり、でも真剣に、こう言った。
「私の子どもをうんでくれたら、嬉しい」
阿呆だ。こいつ阿呆だ。

でももっと阿呆なのは、
「……阿呆か」
その言葉を聞いてなぜか感極まって泣きそうになった、俺の方かもしれない。


結論、結局今も原因究明中。



End.